ラーメンのスープには、醤油、味噌をはじめ、鶏ガラや豚骨、魚介など、スープに使われている原料や調味料だけでは分類しきれないほど、たくさんの種類があります。
このページでは、出汁の種類や地方ごとの違いとあわせて、地域で見るラーメンスープの種類についてまとめています。
ラーメンのスープには、数え切れないほどの種類があります。
まず、スープの原料が昆布や豚骨など数種類、さらに、調味料として使われる醤油や味噌、塩だけでも、地域ごとに豊富な種類があり、スープと組み合わせることでさらに種類は多くなります。
ラーメンのスープには、白く濁った白湯と澄んだスープの清湯があります。白湯は、濃厚な旨みが強いスープ。清湯スープは透明でさっぱりした味わいです。
青湯は「ちんたお」と発音されるスープであり、一般的には色はあっても濁りがなく澄んでいるスープを指します。出汁を取る材料としてはカツオ節やアゴ節といった魚介系の節系や、鶏ガラ、野菜、豚骨など様々なものが利用される点も特徴です。
弱火で煮込まれ濁りのない青湯スープは雑味が少なく、上品で奥深い味わいになることが魅力です。そのためあっさり系の塩ラーメンや、豚骨系でもさっぱりとした味のラーメンをなどに利用されます。
白湯は「ぱいたん」と読まれるスープであり、博多豚骨ラーメンに代表されるような白く濁っているスープが特徴です。出汁の材料には鶏ガラや豚骨が使用されることも多く、それぞれの骨が砕けて崩れるまで長時間強火で煮込んだり、いっそわざと骨を砕いて混ぜたりすることもあります。
白湯は高火力で湯を煮立たせながら骨の出汁を取ることにより、骨髄の心からエキスを抽出して白濁スープに旨味を凝縮し、強い味わいを獲得する点が魅力です。
ラーメンのダシには、豚骨、鶏ガラ、魚介などの材料が多く使われています。こうした複数の食材を組み合わせて使う場合や単品で使う場合など、地域やお店によってもさまざまです。
豚骨は文字通り豚の骨であり、博多豚骨ラーメンなどこってりとした豚骨スープの材料としても知られています。
動物系の出汁素材として人気の豚骨ですが、実際にはゲンコツやあばら骨、背骨、豚足など部位によっても味わいが異なり、店によって骨の種類や割合を調整しながら独自の味を再現しています。
豚骨はゼラチンやコラーゲンの多い動物系素材であり、豚骨白湯のように乳化して白濁しているスープは強い風味を持ちながらまろやかな舌触りになる点も特徴です。なお、豚骨でも弱火で調理して青湯スープを作ることが可能です。
鶏骨や鶏ガラも人気の動物系素材であり、ラーメンだけでなく中華スープの定番食材として全国的に色々な場所で利用されています。
鶏骨・鶏ガラで取ったスープの特徴として、旨味成分であるグルタミン酸が豊富なため深い味わいを再現しやすく、また豚骨よりもコラーゲンが少ないため青湯スープの素材として利用しやすいといった点が挙げられるでしょう。なお、鶏ガラをベースに作った白湯スープも鶏白湯として広くファンを獲得しています。
節類は魚介系の出汁素材として使われている食材であり、魚肉を煮て熟成させた後に乾燥させた保存食品です。和食でも日常的に利用される素材であり、代表的な節類としてはカツオ節が有名でしょう。節類は和風系のラーメンや魚介系スープを売りにするラーメンに使われる食材ですが、実際にはカツオ節の他にも様々な節類が存在しています。
節類を使用する場合はそれぞれの特徴や個性を活かしてバランスを考えなければなりません。
香味野菜は香りの強い野菜の総称であり、例えば日本の食卓に並ぶ香味野菜についてもショウガやネギ、トウガラシ、ニンニクなど様々な野菜が挙げられます。
香味野菜は薬味として使われる他、出汁を取る素材としても世界中で使用されており、例えばフランス料理のフォンドボーはセロリやタマネギ、ハーブなどの香味野菜と仔牛の骨などを煮込んで作られます。
ラーメンの出汁でも香味野菜は広く使われており、野菜の種類や煮込み時間、合わせる食材などで多種多様の味わいを追求できます。
牛骨は鳥取県ご当地料理の牛骨ラーメンに使われており、韓国でも骨付きの牛テールを煮込んでスープに使用することがあります。
また、わかめや昆布といった和風の出汁素材を使ったり、カレーやシチューに使われるような月桂樹の葉を使ったりと、一般的とされる素材の他にも様々な食材を検討可能です。
とにかく豊富なラーメンの種類ですが、味の分類は、大きく分けると5~7種類といわれています。その中でも代表的なものをご紹介します。
喜多方ラーメンなどが有名な醤油ラーメンは、スープに醤油がベースの調味料を使用したラーメン。日本のラーメン原型ともいわれています。
関東では、醤油ベースにちぢれ麺を合わせることが多いと言われています。これは、うどんやそばでも見られる、出汁の違いが、関東と関西を分けているのでしょう。
味噌ラーメンと言えば「札幌ラーメン」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
豚骨のスープをベースに味噌で味付けしたラーメンのことを指す場合が多く、札幌では、冷めるのを防ぐためにバターを乗せることもあります。
塩ラーメンは、豚骨や鶏ガラスープに塩ダレで味付けしたラーメンのこと。塩ラーメンの中では、函館ラーメンやタンメンが有名です。
豚骨ラーメン発祥の地でもある博多の豚骨ラーメンは、博多ラーメンとも呼ばれており、味付けなどは店によって違いますが、基本的には豚骨主体の乳白色のスープと極細麺が特徴です。
また、豚骨というと九州のイメージですが、札幌ラーメンのベースは豚骨です。
鶏白湯ラーメンは、鶏ガラや丸鶏などを長時間煮込んで作る、白濁したスープのラーメン。濃厚なうま味のスープが特徴です。特に地域性はありません。
全国各地に存在する、ご当地ラーメンを調べてみると、北は北海道の味噌ラーメンから南は沖縄のそばまで、多くの種類があります。
また、味付けに使われる味噌1つとっても、長野の信州みそや愛知県の八丁みそなどさまざまで、こうした組合せだけでも数えきれないほどの種類になります。
北海道の札幌を発祥地とする味噌ベースの札幌ラーメンや、あっさりした醤油ベースのスープが特徴な福島の喜多方ラーメンなど、北海道・東北では様々なご当地ラーメンが存在しており、またそのスープの味や傾向についても様々な種類を展開している点が特徴です。
一般的にはエリアによってスープの傾向が決まっているとされていますが、特定のスープに偏らず色々な種類を持つことが北海道や東北の魅力といえます。
関東エリアのご当地ラーメンでは醤油ベースのスープへ油脂を浮かせた八王子ラーメンや、横浜で生まれた豚骨・醤油ベースの家系ラーメンなど、醤油を中心に色々なバリエーションが展開されていることが特徴です。
じっくりと煮込んだ豚骨ベースに醤油を加えた豚骨醤油は和歌山ラーメンや京都ラーメンとして人気であり、その他にも奈良のスタミナラーメンなどニンニクやトウガラシを効かせたスタミナ系のスープも評判です。
博多の豚骨ラーメンで知られた九州エリアのご当地ラーメンは、白く濁った濃厚な豚骨スープを極細麺に絡ませて味わうことで人気であり、また九州エリアの豚骨スープとしては熊本市を中心とする熊本ラーメンもご当地ラーメンとしてファンを獲得しています。
ただし、共に豚骨スープであるものの博多ラーメンは豚骨風味が強く、熊本ラーメンはややまろやかな味わいが特徴です。
ラーメンの麺とスープの組み合わせは無限大といっても決して大げさな表現ではありません。
麺の種類もさまざまですが、それをはるかに上回る、出汁、調味料、香味油の組合せは、現在でも進化しており、さらに拡大が予想されています。
ラーメンの麺の作り方やスープの取り方について学ぶなら、ラーメン屋で修行するのも1つの手立てです。しかし、もっと短期間で勉強するなら「麺の学校」があります。未経験の方でも、ラーメンの作り方や麺の知識を習得できます。
麺学校では、おいしい麺作りを可能にする製麺技術についてしっかり学べるのが特徴です。学校によっては、麺だけでなく、出汁の取り方を実習を交えながら学べます。そのため、まったくの未経験者でも安心。
ラーメン屋の開業やラーメン店の展開を考えている方は、ラーメンのスープについても勉強してみるのがおすすめです。
適したスープや麺を作るために麺の学校に通うことを視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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