製麺機の歴史は古く、麺を延ばすアイテムとして中国で1271年から1368年頃に麺棒が発明されたことが、“製麺機”の起源とされています。
ここでは製麺機の歴史について紹介しています。
製麺機が生まれるずっと前、1271年から1386年ごろに中国で麺生地を延ばすアイテムとして麺棒が開発され、穀物類の粉を麺にすることができるようになりました。
麺棒は日本でも製麺に使われ、麺棒やこね鉢などを使って製麺していたようです。
製麺のキーアイテムであった麺棒。人々はさまざまな穀物類の粉で麺生地を作り、麺棒で延ばし刃物で切って製麺をしていました。
麺棒の発明によって、小麦の収穫できない南方の中国全土に広がり、地方色が濃い麺が登場したと推測されています。
製麺機の登場は、清代(1636~1912年)末期には「製麺機」があったと言われていますが、詳細は不明。手作業に近い製麺機であったと考えられています。
歴史上ではっきりしているのは、1884年に佐賀県巨勢町高尾出身の真崎照郷(てるさと)が小型製麺機を発明(※)したということです。
1876年ごろに真崎照郷が作った製麺機は、木綿の綿繰機(※1)からヒントを得たものでした。
綿繰機で使用しているローラーを応用し、麺生地をロールの間に通過させ延ばし、さらに縦に溝のあるロールを通して糸のように切るという仕組み。現在のロール式小型製麺機の原型と言えるでしょう。
開発した当初は手動式だったものが、動力をモーターにしたことで広く普及。こうして、大量生産が可能となったのです。
真崎照郷が発明した製麺機は、日本中の多くの鉄工所や製麺機メーカーに引き継がれ、第二次世界大戦後まで使われていました。
当時の製麺機は、正確に早く麺を作れることが求められていましたが、外食産業の発展と共に「美味しい麺」が作れる製麺機を求める時代へと変わっていきます。
機械製麺によって叶えられた大量生産でしたが、手打ちの麺とは味が異なりました。より手打ちに近い麺を作れるロール式小型製麺機が誕生していきました。
そんな中、香川県では1968年に食品衛生上の理由から「足踏み禁止条例」が発令されたことがきっかけで、足踏みの工程を担える「足踏み代用機」が登場。
その後、さらなる進化を遂げ、手での製麺に近く、美味しさと大量生産を両立した「手打ち式製麺機」が誕生しました。複合機などでは生成が難しい生地である、うどんやそばの分野で手打ち式の小型製麺機が重宝されています。
外食産業の発展と共に手打ち式製麺機は、麺のおいしさだけでなく、高い性能が求められるようになりました。このニーズに対応するため多くの製麺機メーカーから、さまざまなタイプの小型製麺機が製造販売されています。
麺好きと言われる日本人。「美味しさ」を追求できる手打ち式製麺機を導入する企業や事業者は増えています。第一に欠かせないのが、手打ちに匹敵する麺の味。
他にも、狭いスペースでも設置できるコンパクトサイズかどうかだったり、力がなくても初心者でも簡単に操作できるかどうかだったり、製麺機の安全性、衛生的など、より高い性能が求められるようになりました。
これらのニーズに応えるため、さまざまな製麺機メーカーから、コンパクトで生産量もしっかり担保できる高性能な小型製麺機が製造・販売されています。
おすすめ
麺の種類ごとに分かれた専用の小型製麺機なら麺の特徴に合わせて製麺できるので、よりおいしさを追求できます。
「うどんもそばも製麺したい!」「業態変更を視野に入れている」場合を除き、作りたい麺に合わせて選ぶのがおすすめです。